書いた人:もったい9代表 吉原
買取のお得な話! 公開日:2025.11.5
更新日:
もくじ

建設現場における足場は、高所での作業を安全かつ効率的に進めるための仮設の作業床です。
ただの通路や物置ではなく、作業員の命を守り、工事全体の品質を左右する非常に重要な役割です。
足場がなければ、職人は不安定な場所で作業することになり、重大な事故につながる危険性が高まります。
足場には以下の目的があります。
このように、足場は安全管理と工程管理の土台となる設備で、現場の状況に最適な足場の種類を選ぶ知識が、現場監督には求められます。


現場の状況や建物の規模に応じて最適なものが変わるため、足場にはたくさんの種類があります。
安全で効率的な工事のためには、それぞれの特徴を正しく理解することが重要です。
ここでは、最適な足場選びに役立つよう、代表的な6種類の足場のメリットとデメリットを紹介します。
くさび式足場は、ハンマー1本で組み立てと解体ができる手軽さが大きな特徴で、現在多くの現場で採用されている主流の足場です。
部材同士をくさびで連結させる構造で、作業時間を大幅に短縮できるため、工期が限られている現場で特に重宝されます。
また、部材が比較的小さく軽いため、狭い場所への搬入や保管がしやすい点もメリットです。
| メリット | 組み立てが速い、複雑な形状の建物にも対応しやすい、保管や運搬が楽 |
| デメリット | 高層建築には向かない、組み立て時に大きな音が出やすい |
このような特徴から、主に戸建て住宅やアパートといった、中低層の建物の工事で活躍します。
スピーディーな作業が求められる現場に適した足場です。
枠組み足場は、非常に高い強度と安全性を誇る、昔からあるオーソドックスな足場です。
門のような形をした「建枠」という部材をメインに、ジャッキや筋交いなどを組み合わせて作られます。
一つひとつの部材の強度が高く、主に高層ビルやマンション、橋梁の工事といった大規模な現場で採用されています。
部材の種類が少ないため管理がしやすく、組み立て手順も比較的シンプルです。
| メリット | 強度と安全性が非常に高い、高層建築に対応できる |
| デメリット | 部材が大きく重い、設置に広いスペースが必要、複雑な形状には不向き |
広い敷地が確保でき、建物の形状がシンプルな高層建築の現場では、この枠組み足場が最も適しているといえるでしょう。
単管足場は、その名の通り「単管」という鉄パイプと、「クランプ」という金具を組み合わせて作る、非常にシンプルな足場です。
メリットは、どんな場所でも形状を合わせて組める自由度の高さにあります。
例えば、隣の建物との隙間が非常に狭い場所や、複雑な形の建物の周りでも柔軟に対応可能です。
| メリット | 狭い場所や複雑な形状にも対応できる、部材が安価 |
| デメリット | 強度や安全性が低い、組み立てに時間がかかる |
ただし、他の足場に比べて強度や安全面で劣るため、現在では作業員が乗るための足場として使われることは少なくなりました。
小規模な補修作業や、資材置き場、仮囲いといった補助的な用途で活躍する足場といえるでしょう。
吊り足場は、地面から組み立てるのではなく、建物の鉄骨など上部から吊り下げる形で設置する特殊な足場です。
橋や高速道路、工場の天井裏など、地面から足場を組むことが物理的に不可能な場所で採用されます。
地面の状態に関係なく川や道路の上でも作業できるほか、設置範囲が限定的なためコストを抑えられる場合もあります。
| メリット | 地面に足場が組めない場所で作業できる、コストを抑えられる場合がある |
| デメリット | 組み立ての難易度が非常に高い、揺れやすく特別な安全対策が必要 |
この足場は、組み立てに高度な技術と専門知識が求められ、作業主任者の選任といった法律上の厳しい規定もあります。
まさに、特殊な環境下での工事を可能にするための専門的な足場です。
移動式足場は、その名の通りキャスターが付いていて、人力で簡単に移動させることができる足場です。
「ローリングタワー」とも呼ばれるこの足場は、一度組み立てると解体不要で次の作業場所へ移動できる手軽さが魅力です。
天井の設備工事や照明の交換、壁の補修など、頻繁に場所を移動しながら行う作業で非常に役立ちます。
| メリット | 組み立てたまま移動できる、作業時間を短縮できる |
| デメリット | 平らな場所でしか使えない、高さに制限がある、揺れに弱い |
この足場を使う上で最も重要なのは、安全対策です。作業を始める前には、必ずキャスターのストッパーをかけて足場を固定しなくてはなりません。
また、作業員が乗ったまま移動させることは法律で禁止されています。
短時間・短距離の作業を効率化してくれる便利な足場ですが、ルールを守って安全に使用することが大前提となります。
次世代足場は、従来の足場が抱えていた安全性や作業性の課題を解決するために開発された、新しい規格の足場です。
これまでの足場に比べて、作業床のスペースが広く確保されているのが大きな特徴になります。
また、手すりや筋交いといった安全設備が標準的に充実しており、作業員の墜落リスクを大幅に低減させることが可能です。
| メリット | 安全性が非常に高い、作業スペースが広く効率が良い、部材がコンパクト |
| デメリット | 従来の足場よりコストが高くなる傾向がある |
部材は軽量でありながら強度が高く、保管や運搬の効率も考えられています。
導入コストは高くなる場合がありますが、それ以上に安全性と作業効率が向上するため、近年多くの現場で採用が進んでいます。
まさに、現代の建設現場のニーズに応えるために進化した足場といえるでしょう。

これまで代表的な足場の種類を見てきましたが、ここからは実践的な選び方を解説します。
どんなに優れた足場でも、現場の状況に合っていなければ安全性や作業効率が損なわれてしまいます。
事故を防ぎ、スムーズに工事を進めるためには、いくつかのポイントを押さえることが重要です。
ここでは、足場選びで失敗しないための4つの視点をご紹介していきます。
建物の高さによって足場に求められる強度が大きく変わるため、足場選びではまず建物の高さと形状が基本となります。
例えば、高さ45mを超えるような高層ビルやマンションでは、強度と安全性が最も高い「枠組み足場」が原則として使われます。
一方で、戸建て住宅などの低層〜中層の建物であれば、「くさび式足場」で十分対応可能です。
建物のことだけでなく、その周りの環境や使える敷地の広さも必ず確認すべきポイントです。
例えば、現場の目の前が人通りの多い道路に面している場合、工具の落下や塗料の飛散を防ぐために、防音シートや飛散防止ネットを隙間なく張れる種類の足場が求められます。
安全な足場を選ぶことは、作業員だけでなく近隣への配慮にもつながります。
敷地が狭く足場を置くスペースが限られる現場では、部材が大きく広い保管場所を必要とする枠組み足場は不向きです。
部材がコンパクトなくさび式足場や、より省スペースで組める単管足場が選択肢となるでしょう。
足場部材を搬入するトラックの動線も考慮して選定することが大切です。
どのような作業を、どれくらいのスペースで行うのかを具体的にイメージすることも大切です。
足場の上で行う作業は、塗装のような軽作業から、外壁材の取り付けのような重量物を扱う作業まで多岐にわたります。
例えば、タイル貼りやサイディング工事など、資材を足場の上に置いて作業する場合は、十分な強度と広い作業スペースが必要です。
この場合、作業床が広い次世代足場や枠組み足場などの種類が適しています。
逆に、作業員が移動するだけで資材は置かないような現場であれば、単管足場でも問題ないでしょう。
必要なスペースを確保することは、作業効率だけでなく、工具の落下などを防ぐ安全対策にも直結する重要なポイントです。
最後の判断基準は、コストと工期のバランスです。
足場の種類を選ぶ際には、部材のレンタル費用だけでなく、組み立て・解体にかかる人件費まで含めたトータルコストで考えなくてはなりません。
例えば、単管足場の部材は安価ですが、組み立てに時間がかかるため人件費が増加する傾向があります。
一方で、くさび式足場はハンマー1本でスピーディーに組めるため、工期を短縮し人件費を抑えることが可能です。
工事全体で見れば、足場の工期が1日遅れるだけで大きな損失につながる場合もあります。
目先の部材費だけにとらわれず、工事全体の予算とスケジュールに最も良い影響を与える足場はどれか、という視点で選ぶことが重要です。

これまで足場の種類や選び方を解説してきましたが、最後に、足場を組み立てる基本的な部材の種類にも触れておきましょう。
どの種類の足場も、作業員の安全を守るための重要なパーツから構成されています。
特に重要な部材の役割を理解しておくと、日々の安全管理や職人とのスムーズな連携に役立ちます。
ここでは代表的な2つの部材をご紹介します。
「アンチ」とは、作業員が歩いたり作業したりする床になる鋼製の板のことで、正式には「鋼製布板(こうせいぬのいた)」といいます。
足場を構成する部材の中でも、作業員の安全に直結する最も基本的なパーツです。
表面には穴が開けられているほか、滑りにくい加工が施されており、雨天時でも安全に作業できます。
アンチには様々な種類の長さや幅の規格があり、現場で使う足場の種類によって使い分けられます。
現場で安全点検を行う際は、アンチに歪みや大きな錆がないか、フックがしっかりと固定されているか、板の間に危険な隙間が空いていないかなどを確認することが重要です。
単なる床と考えず、作業員の命を乗せる重要な部材として認識しておきましょう。
作業床であるアンチと同じく、作業員の安全を守るために不可欠なのが、墜落を防ぐための部材です。
代表的なものに「手すり」と「筋交い(すじかい)」があります。手すりは、その名の通り足場の外側に取り付けられ、作業員が誤って墜落するのを防ぐためのものです。
労働安全衛生規則でも、高さ2m以上の足場には手すりの設置が義務付けられています。
一方、筋交いは部材を斜めに交差させる形で取り付けるもので、手すりのように墜落を防ぐ役割と、足場全体の揺れや倒壊を防ぐ補強の役割を兼ね備えています。
この他にも、工具などの落下を防ぐ「幅木(はばき)」など、足場の安全性を高める部材の種類は様々です。
これらの部材が正しく設置されて初めて、安全な足場といえます。

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今回は、建設現場で使われる代表的な足場の種類や、現場に合わせた選び方のポイントについて解説しました。
足場には多くの種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
建物の高さや形状、周辺環境、そしてコストと工期のバランスといった複数の視点から総合的に判断することが、安全で効率的な現場の実現につながるでしょう。
最適な足場を選ぶ知識は、職人からの信頼を得るうえでもきっと役立ちます。
この記事を通して、足場の種類や選び方への理解を深めていただけたなら幸いです。
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